Karrimor SF45 の話
案外、ザックの写真は撮らないものだ。
何百枚とある過去のキャンプ写真を見返してみても、まともに写っているのが数枚しかない。
逆に多いのが焚き火と料理の写真である。
たしかにキャンプ系の Youtube の動画を観ても、たいがいは焚き火と料理の映像ばかりである。
ザックだけを延々と映しているような奇特な人は見たことがない。
よく考えてみると、家で道具の準備をしているときにザックはさんざん見ている訳で、わざわざキャンプ中には目が行かないのかもしれない。
私の Karrimor SF45 Predetor。
もともと冬キャン用に大容量のザックがほしくなったのが購入したきっかけ。
ザックを決めるにあたって考慮したのが、
・巾着式でパッキングがしやすいこと
・molleシステムで拡張性が高いこと
・上下にループがあること
・ミリタリーっぽくてかっこいいこと
だった。
同じ条件を満たす DD Hammock 社の Bergen Rucksack と迷ったのだが、ザックとしての出来が Karrimor の方が圧倒的によかったので、こちらに決めた。
生地、ベルト、ファスナー、縫製の品質がものすごく良い。
現地価格では Karrimor の方が DD の倍近く高いのだからそりゃそうだ。
カスタマイズというほどでもないが DD のようにアクションバッグを取り付けてみた。
Amazon で買った安いバッグを少し加工したものだ。
この中にはパラコード、ペンチ、火起こし道具、救急セット、予備の電池、歯磨きなどが入っており、たいへん重宝している。
あと、このバッグが支えになることで立った状態をキープできる。
いい事ずくめである。
欠点は特に見当たらないが、ベルトや紐の類がいちいち長いので見っともないことが多々あることくらいか。
ただ、今年は荷物を少なくするキャンプを目標にしようと思っているので、もう少し小さなザックを準備中だ。
2018年度冬キャン納め
もう一ヶ月も前になってしまったが、今年度ラスト冬キャンに行ってきた。
今回のテーマは2度も残念な結果になってしまったタープ泊の総仕上げだ。
結果としては満足のいくものになったと思う。
前2回と違い、天気も穏やかでなものとなり、冬キャン納めには上出来の内容となった。
とりあえずタープの出来としてはこんな感じ。
風が強くて裾が折り込めていないが、まあまあいい感じではないだろうか。
しかし本当にギリギリまで木に近づけないと、形になりませんな。
ちょうど木の足元が盛り上がっていたので、出入りはちょっとめんどくさかった。
念願のフルクローズもOK。
今回の新兵器その1、グレンスフォシュブルークのワイルドライフ。
さすが産毛まで剃れる斧として名高いグレンスフォシュ。
ノコギリなしでも針葉樹の枝くらいならガンガン薪にできる。
しかし、薪割りには重さ・サイズともにやや心許ない。
手首ほどの太さの広葉樹の薪を用意していったが、とても割れたものではなかった。
いつものハスクバーナなら何とかなるんだけど。
でもこれはこれでオッケーです。
何せワイルドなライフなのだから…。
イニシャルはMM。
マティアス・マットソンという職人で、グレンスフォシュの中でも古参のメンバーだそうだ。
ちょっとした拘りです。
ガツガツ削れる様子。
軽く振れて軽く削れる。
刃物の切れ味がいいと、枝を削るのだけでこんなに楽しいとは…。
これならブッシュクラフト的な工作も捗りそうだ。
今回の新兵器その2、Heavy Cover 社のチタニウムキャンティーン。
国内だと Keith というブランドで同じものが売っているのだが、海外のブッシュクラフターは Heavy Cover の方を使っている人が多いのでこちらにしてみた。
海外からの購入だが、送料込でも国内で Keith を買うよりも安くて済んだ。
チタンの水筒はペットボトルから注ぐよりも情緒があってよい。
キャンティーンの方はヤカンも持っていったのであまり使う機会はなかったが…。
しかしとにかくカッコいい。
今回の新兵器その3、米軍払い下げの GORE-TEX シュラフカバー。
モンベルの #0 シュラフが真っ赤で山岳感が出すぎるので、カモフラージュ用に。
死体袋に使ったものを払い下げているという都市伝説もあるけど、まあ噂でしょう。
しかしギアを買いすぎだな。
久しぶりの晴れキャンプなので、タープから出てカマドを作成。
燻されることもないし、やっぱり晴れは最高だ。
すごく久しぶりに米を炊いてみる。
慣れてないのですったもんだあったが、まあまあの炊き上がり。
刺し身を乗せて海鮮丼風にしていただいた。
ハイボールと海鮮丼。
美味いです。
たぶん美味かったです。
屋久島産のたんかん。
美味いです。
いい夜でした。
さて翌朝。
いつもメニューです。
卵をひとつ炭の上に落としてしまうハプニングがあったが、ケイブマンステーキというものがあるのだし、直火エッグも賞味してみようとチャレンジ。
大変苦みが強かったが限りなく香ばしくて、これはこれで可能性があるな、と思いました。
それにしてもホーローのカップはいいですな。日のそばに置いとけばいつまでも温かいコーヒーが飲めるのだから。
いかに熱を貯め込むかよりも、どれだけ熱を受け取れるかですよ(名言風に)。
世間ではこれからハイシーズンだが、自分の場合はそろそろペースダウン。
予約も取りにくくなるし、虫も出てくるしね。
春からやるとすれば、ツーリングキャンプか、キャンプデビューしたいという友人を誘ってか、かな。
暫くはソロキャンはまあいいか、という気分。
単に飽きたのでなければいいが…。
ではごきげんよう。
侘び寂びとキャンプと
軍幕デビューしたいという知人と飲んでいて、テントは快適性より浪漫だろう、快適性を求めるなら家にいたらいいじゃないか、という話をしていた。
飲みの席だから極端な話になったのだが、道具を選ぶときの基準に浪漫を感じるかどうかが重要だというのは新たな視点の発見だった。
この場合、浪漫というのは雰囲気と言い換えてもいいだろう。趣き、侘び寂びと言ってもいいかもしれない。ある人はそれを無骨と言い、またある人は男前と言うかもしれない。それを我々は趣きがある、と言うだけだ。今年はシャツをインするのも雰囲気、みたいなことをもう少し上の年代の元古着屋店長は言うのだが、この場合も雰囲気を趣き、と言い換えても意味は変わらないだろうからあながち間違いではない。
唐突だが、キャンプは茶道の趣きがあると思う。これは僕の作るシェルターが、這ってでしか入れないにじり口を思わせることから着想を得た。(特にDDタープは茶色、緑など渋い色合いでお茶を連想させる)キャンプの素敵なところは自分の気に入った道具だけに囲まれて生活できることだ。選びぬかれたギアで構成された狭い空間は何となく茶室を連想させなくないだろうか?茶室に入ったことがないのでよくわからないが。
時の戦国武将は茶器の収集に血眼を上げたという。僕も最近、キャンプ道具の収集熱が高くて困っている。特にクッカーとマグカップ、つまり、器類を集めてしまうのだ。おかげで台所の洗い物カゴがアルミ鍋やキャンティーン、マグカップ等々で山盛りになってしまい、家の者から文句を言われている。しかし茶釜を抱いて爆死した松永久秀の如く、男が器の沼に嵌ってしまうのは歴史的に見ても至極当然のことなのである。そう納得するしかない。
しかしキャンプだとバックパックに収まるくらいの荷物で十分快適に過ごせるのに、どうして家にはものが溢れていて、それでも満足できないのだろう。どうしてPOPEYEの部屋特集で紹介される部屋に一歩も近づけないのだろう。キャンプに来るとモノの少なさにホッとする。最低限これだけあれば一日過ごせるという、モノの量が意外に少なくて安心するのだ。
ダルダルキャンピング
祝日と次の平日の休みに狙いを定めて出撃。さて前回の反省を活かし、今度こそは屋根の高い居住空間を作ろうとしたのだが、またしても天井の低い家になってしまった。
本当は入口をクローズ出来るパスファインダーを作るつもりだった。しかし結果は見ての通りだ。高さが足りなかった原因はパラコードを巻き付けた前方の木と距離を取りすぎたことだろう。歩幅で言えば4歩くらいだったのだが。あまり木に近づけすぎると、焚き火をしたときに木にダメージを与えてしまうのでは?と思って余裕をもたせたのだが、それが高さを稼げなかった原因か。前方の木からタープを吊り下げる場合、タープ内での焚き火は厳しいのかもしれない。
あとで Instagram で調べていて知ったのだが、二本の木にロープを渡して真ん中にプルージックを使って吊り上げることもできるらしい。これならタープの下での焚き火もオッケーだ。
今回使わせてもらったサイトには、ちょうどいいくらいの木が二本あったのに惜しいことをした。
※参考にしていったDDタープのHP
https://www.ddhammocks.jp/dd-tv-tarpg-1
座ってみると入り口のところで頭がギリギリくらいの高さ。明らかに狭い。何とか形を作るためにガイロープを張ったりして、最終的になんだかよくわからない形になった。
ダルダルだが、Instagramで「外人はダルダルでも気にしない」という情報を得ていたので、逆にダルダルのほうが通っぽくないか?と自分を納得させる。この日は天候は良いと思っていたので、そんなに気にはしなかったのだが…。
設営が終わった頃から雨がパラパラ降り始めたかと思うと、いつの間にやらかなり強い雨になっていった。ダルダルの幕に水がたまり、さらに天井が低くなっていく。焚き火をタープに近づけているので、火を低めにすることをこころがける。ある人の言葉を借りれば、今日の焚き火は嫉妬深い女のような奥に秘めた熱い火だ。
タープ内が狭いため体を動かすと、結露が服についてビッショリになる。快適とは程遠い空間だが、まあ一夜の宿であるしいいだろう。
この日は自分以外には、バンガロー客が一組という、ほぼ完ソロ状態。ひとけがないためか、妙に落ち着く。晩ごはんは野菜炒め入のサッポロ一番塩ラーメンと餃子。餃子は焼いてあるものをスキレットで温め直した。自分の部屋での夕食のごとく無心で食べ、いつのまにか完食。
この日はユニフレームの山クッカーMを使用。ラーメンと山盛りの野菜でスノーピークのソロックッカーは溢れんばかりだったが、こいつはちょうどいい感じだ。
しかし雨は激しくなるばかり。雨雲レーダーには雲などないのだが、この地域の冬の時雨は厄介で仕方ない。タープに溜まった雨がなにかの拍子でこぼれたのだろう、足元に水たまりができてしまった。地べたに座っていたため、ズボンと靴が泥まみれになる。こういう天候のときはハンモック泊がよかったのだろう。雨の地べたは快適ではない。むしろ雪だとよかったのだが。
3時間ほど焚き火を見ながらぼんやりと過ごす。
今朝、出先から帰ったばかりで少し疲れていたのだろうか、5時頃まで目がさめることはなかった。
朝になっても雨はやんでいなかった。焚き火料理はできないかと思っていたが、小雨になってきたので調理を始める。
朝食を食べていると、日が差してきた。森がとても美しい。いつだって焚き火で食う朝飯は最高だ。
今回投入したのが、YETI のタンブラーと Gentleman's Hardware の琺瑯のマグカップ。YETI はタンブラーは真空で蓋がついており、朝食の間ずっと温かいコーヒーを飲むことができる。対して、GH のマグカップは趣があり、絵になる。琺瑯なので直火にかけることができるのもよい。どちらもいいマグカップである。
さて、何気に初となる雨撤収だ。これまでどんなに悪天候でも撤収時は好天に恵まれていたのだ。今回も小康状態での撤収になった。しかしここまでビショビショのまま片付けるのは初めてだ。
相変わらず撤収は早かったが、水浸しのタープとグランドシートを持ち帰るのは気が重かった。水が滴るままゴミ袋に詰め込んで、手が冷たかった。
正午から晴れてきてたので家で干すことが出来たのは助かった。
こんどこそは高く張ろう。
初雪中キャンプの記
今年は雪が少ない。例年ならばこの季節には雪が毎日のように降って通勤にも仕事にも支障が出るはずである。キャンプを始めた当初から、雪中のキャンプをすることを目標に掲げていたが、それが今年に限って出来なかった。何となく皮肉なものである。おかげで日常生活は快適である。
今回たまたまだが、連休と今年初の雪予報が重なった。ただただチャンスでしかない。しかし、なんと言っても初めての雪中である。雪でずぶ濡れになった体に寒さが染み込んできて、大変つらい目に合うのではないかと不安でもある。
しかし、この半年間雪中に向けてコツコツとギアを買い揃え、ロープの結び方を3つくらい覚え、タープの張り方も練習してきた。行かないわけにはいかなかった。
当日、荷物を車に詰め終えてから、キャンプ場に℡。ハンモック泊したい旨伝えると、苦笑いされたが快くオッケーしてくださった。
雪中だからといって、これといって特別なものは用意しなかった。レインウェアを上下持っていったのと、前の記事で書いたメレルのスノーブーツを履いていったくらい。要するにウェア以外は普段どおりの装備である。
あとは雪を触ることになるので防寒テムレスを持っていった。もちろん雪かきスコップも。
13時頃、キャンプ場に到着。事前にハンモック泊と伝えておいたので、木の多いサイトを用意してくださっていた。ただただ感謝でしかない。
木と木の間にガイラインを張って、タープの設営もサクッと終わろうかというとき、なんだか嫌な予感がしていたのが当たった。隣のサイトにファミキャンが来たのである。正確に言えば、隣の隣であるが、隣のサイトが無人で、しかもこちらの方が坂の下側に当たるので、実際よりも近くに感じる。横に広いサイトにもかかわらず、真正面にスノーピークのテントを張られてしまった。これは落ち着かなそうだ。やむを得ず横にずれることにした(このとき、エリステを一本、雪の中に失ってしまった。春先になったら出てくるだろうか)
それまで割と落ち着いた天気だったのが突然、横殴りの雹に変わった。たまらず一時、車に避難する。とにかく風が強いのでDDタープの4×4は低めに張ることにした。その方が風を受け流しやすいだろうと考えたのである。風に煽られて飛ばされそうになり、設営中もどんどん雪の受け皿になっていく濃いコヨーテ色のタープを苦労してセッティングし、ハンモックもなんとか飲することが出来た。慌てまい慌てまいとゆっくりゆっくり設営していたら何と16時になっていた。設営に3時間もかけていたことになる。一体そんなに何をすることがあったのか、今となっては覚えていない。
もう夕食時も近いので、昼食もへったくれもないのであるが、とにかく何かいに入れるものが必要であったので、前回のキャンプで食べなかったパスタを作ることにした。なぜ食べなかったかというと、設営に時間がかかってしまい、食べる時間がなかったのだ。そのときはサイトを変更してもらったので、時間が遅くなったのだった。そう考えると、人目が気になるのが、設営の遅れを助長している原因なのだろう。
しかし、はっきり言ってパスタは失敗だった。作ったそばから冷めてしまうのだ。お湯を慎重に捨てて、盛り付けたら既に温かった。食べ終わる頃には、つけ麺かと思うくらいぬるかった。そもそもお湯を捨てるということ自体が冬キャンにおいては勿体無いのだ。温かさには高いコストがかかっている。それを無碍に捨てるなんてとんでもないことなのだ。雪中においては熱量は財産なのだ。
パスタを食べ終えて、デカフェ紅茶を飲む。まずい。味がしない。またもやお湯を捨てる。勿体無い。
夜に備えて薪を割っていると、風向きが変わったのか、背中側から風が吹いてきて、タープ内が風の通り道になってしまっていた。とても寒い。我慢がしきれずに風上側を閉じることにした。急ごしらえでやったので、タープが相当変な形になってしまった。しかし、暖かさは段違いに向上した。
ここで思いつきでハンモックも撤去してしまった。タープを低く張りすぎたため、地べたに座っていてもハンモックが頭の上でチラチラして落ち着かないし、床に銀マットを敷いたらゴロ寝出来ていいだろうなあ、と思ったからだ。あと、この時点で焚き火の煙がタープ内に充満していて目がものすごく痛かったため、身を低くして煙から逃れたかったというのもある。
タープ内が広くなり、ゴロ寝ができるようになったので快適性が増した。それと、これでハンモックの難点である、冬場の肉厚シュラフのジッパー噛みまくって出入り非常に困難問題を解決することが出来た。むしろこれが一番の利点だったかもしれない。特にシュラフカバーと二重にしているときなんて最悪である。ジッパーが閉じなさすぎて、夜中にひとり泣き叫びたくなる。誇張ではなくて、本当に泣きたくなる。だから、床に寝るとシュラフに入りやすくなることは新たな発見であった。
焼き芋を作ってかじりつつ、夕食のラーメンを作る。好きなときに好きなものを食べていいのが、キャンプのいいところである。家では色々と生活のリズムというものがあるので、こうはいかない。パック入りのカット野菜をバーナーで炒めて、バーナーで麺を煮込む。とにかく焚き火の煙がすごいのでバーナーが頼りである。ホームセンターで赤った薪が湿っていたのか、焚き火の仕方が下手くそなのか。雪でリフレクターを作ってみたら意外と暖かかったが、煙には効果がなかった。
最高に美味しかったが、体が冷えていたためか鼻が詰まっていて味がわからなかった。食べているうちに体が温まってきたが、鼻が通ったのは結局、麺と具を食べ終えてスープを飲んころだった。先にスープを飲めばよかったのか。やはり冬キャンに置いてお湯は宝だと気づく。あと、冬のバターは美味い。焼き芋につけたら良かった。
タープの閉じた側から雪が侵入してきて驚く。ゴアテックスのシュラフカバーがあるので大丈夫だろう、という安心感。
シュラフカバーは強い。ハンモック足元にダダダッという雨垂れを感じたときも、雪が吹き込んできてもシュラフカバーがあるからなんとかなる。おまけにGORE-TEXなのだから、という安心感は他には得難い。タープの結露も、荒げた鼻息もなんの気にもならない。シュラフだけだと肉が丸出しであるが、カバーをしてようやく腸詰め、という感じである。つまり形態が安定してるとか何とか。
翌朝の様子。タープを低く張ったためか、滑り落ちて両側に溜まった雪が半端ではない。おかげで眠っている間に、だんだん寝床が圧迫されてくるという事態に陥った。深夜1時、耳元からお経が聞こえてきて目が覚めた。頭が以上に熱くて誰かにライトで照らされているのだと思った。殺されるんじゃないかと思ったが、お経は耳元で雪がギシギシと鳴る音で、頭が熱いのはシュラフをすっぽり被っていたからだった。くだらない土産話だが、いままでにない恐怖を味わったのは間違いない。山の怪奇譚とはこうやって生まれていくのかもしれない。
朝食。今回唯一の焚き火料理。ほんとにキャンプの醍醐味はどこかよくわからないところで目覚めたあとの朝食であるよなあ。子供の頃、祖母の家に泊まって目覚めた木目の天井を見たときの、あのどこに来てしまった感。ドキュメント72時間でソロキャンしていた人がそんな事を言っていて、まさにそうだよなあ、と感じ入った次第だった。
このあとコーヒーを飲んで焼きプリンを食べて帰り支度。ザックに物を詰めて、タープをたたむだけなので早い早い。撤収時には幸い、雪は落ち着いていて穏やかに片付けができた。管理人さんに忘れ物はありませんか、と聞かれてペグを雪の中になくしてしまったよ、と伝えておいた。
さて冬の地べた泊がこんなにいいとは思っていなかった。ハンモックがいらないとなると、もっと荷物が減らせそうだ。こんどはウールブランケットを敷物にしてみるか。
またこよう。
靴選びの覚書
冬キャン用に靴を新調した。
購入したのはメレルのスノーブーツ。
[メレル] スノーシューズ コールドパックアイスプラス8ジップポーラーウォータープルーフ Copper Mountain US 8.5(26.5 cm) 2E
- 出版社/メーカー: MERRELL
- メディア: ウェア&シューズ
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スノーブーツを買うときに重視したのが、雪の上で滑らないことだ。
まず検討したのが、定番のSOREL。
カリブーよりも無骨な感じのシャイアン2が気になったが、
画像で見る限り靴底が滑りやすそうなのでパス。
そこで10年前に履いていたカメレオン2ストームのことを思い出して、
見つけたのがこのコールドパックアイス+(プラス)という長ったらしい名前のブーツだった。
メレルの思い出
カメレオン2ストームはいい靴だったが、とにかくよく滑った。
雨で濡れた石畳で足を滑らせた恐怖は今でも忘れられない。
いい思い出もきっといくつかあったに違いないが、その時の恐怖が大きすぎて、
メレル=滑る靴というイメージが出来上がってしまい、敬遠していたのだった。
だから雪靴を買うのにメレルを選ぶなんて論外だと思っていたのだが、結局メレルを選んでしまった。
なんでもビブラム社が雪道用に新しく作ったソールを採用しているらしい、という単純な理由で。
雪道や濡れた氷上もスイスイ歩ける!メレルの「滑らない靴」がスゴイ! | &GP
あと、たまたまアマゾンで欲しい色のサイズが一通り揃っていたのも決め手だった。
もちろん無料返品対象で。
サイズ選び
アマゾンのプライムワードローブなるサービスの対象だったので早速それを利用。
10年前のカメレオンは26.5cmを履いていた。
なので今回も同じサイズで良いと思うのだが、
冬キャン用の厚手の靴下を履くために1サイズ上の27cmも注文してみる。
念の為、当時の自分が大きめのサイズ感で選んでいたのかもしれないと、26cmと25.5cmもオーダーしてみる。
到着&試着
まずいつも履いているモンベルのメリノウールウォーキングソックスを履いて26.5cmを試着してみる。けっこうピッタリ。
これで26cmと25.5cmは必要なくなってしまった。
次に冬キャン用で履く予定の、同じくモンベルのメリノウールアルパインソックスを履いて試着してみる。
キツい。
つま先はいいくらいに余裕があるのだが、横幅が破裂するくらいにタイトだ。
26cmもなくなった。
そのまま27cmを試着する。
つま先と靴の先の余裕はまだ許容範囲だが、やはり横幅が若干キツい。
サイズ選びの決め手
オフロードブーツを買うときにバイク用品店の店員さんに教えてもらったのだが、ブーツを履いて歩いたときの浮き具合。
踵が下から蹴り上げられるように浮いたら大きすぎ。
そこまで浮かなければ許容範囲だそうだ。
(どちらにしろ感覚がものを言うので、試着にも修練が必要だ)
ちなみにそのブーツは違和感なく履けているから、そのアドバイスは的確だったのだろう。
そのアドバイスを思い出しながら、歩く感触を確かめてみると確かにちょうどいい感じがする。
横幅に不安があるものの、革靴なので若干のびることを想定すると、これより大きくすると逆にガバガバになってしまう恐れがある。
大きすぎる靴は履かなくなる、というそのお兄さんの決め言葉をまた思い出した。
結局、27cmに決定した。
バイク用品にいるような気持ちだった。
結果
結果的にサイズ選びは正解だった。
実際に着用して、半日ほど履いていても違和感はなし。
早くも柔らかくなってきたのか、心配だった横幅もほどよく余裕がある状態になっていた。
今回のキャンプは20cmほどの積雪(乾雪)があったが、水が染みたり、除雪あとで滑ったりも無し。
保温性に関しては、中綿たっぷりというわけではないので期待できないが、気に入ってしまったので、まあよしとしよう。
素材はヌバックレザーということで、手入れして育てていくのも楽しみだ。
キャンティーン・メスキットについて
いわゆるメスキットが気になる。
メスキットとはなんぞや
”メスキット”で検索してみると、飯盒からフライパン、蓋付きの卵焼き器みたいなものまで出てくる。メスキットといえば、ミリタリー系の無骨な、携帯性に優れた調理器具全般を指すようだ。
中でも気になるのが Self Reliance Outfitters 社製の製品。
(パスファインダー) PATHFINDER GEN2 Canteen Cooking Set キャンティーン クッキング セット ( ボトルハンガー 付き ) サバイバル ブッシュクラフト
- 出版社/メーカー: Pathfinder (パスファインダー)
- メディア: その他
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そら豆型のキャンティーンカップと、それにスタッキングできる水筒、そしてアルコールバーナーを下に置けるスタンドがセットになっている。
Self Reliance Outfitters 社とは Pathfinder School LLC というアウトドア・サバイバル訓練学校の小売部門であるらしい。校長は Dave Canterbury 氏が努めており、彼かれはベストセラー "Bushcraft 101" の著者でもある。日本では『ブッシュクラフトの教科書』として邦訳されている。米国アマゾンではなんと1500を超えるレビューが付いており、ブッシュクラフト界ではカリスマ的な人物なのだろうと想像する。
Self Reliance Outfitters - Soldier Systems Daily
そんな彼が代表を務めるブランドの商品なのだから間違いないはずだ、と思ってこれまた米アマゾンで調べていたのだが、件の本とは違いこちらのメスキットの方は賛否両論あるようだ。
- 蓋がきつすぎて外れない
- 水を入れたら漏れた
- 使ってないのにポーチが壊れた
など、気になるレビューがちらほら。
特に水が漏れた、というレビューは2件ありどうにも購入する踏ん切りがつかなかった。
飯盒を買ってみた
そこで買ったのが、ポーランド軍のメスキットだった。
本当はドイツ軍のが欲しかったが、オークションでも10000円近くする。
こいつは送料込み3000円ほどで買えるし失敗してもいいや、ということで。
おかげで中にものがたくさん入る。調味料を入れた袋とスポーク、そしてコーヒーミルを入れてもギリギリ蓋ができる大きさ。でも僕は撤収のときには食器類を洗わないので、結局帰り道は何も入れられなかったのだが。
新品の状態を撮影する間もなく、火に投入してみる。
後ろ姿が無骨だなあ。
無事、ビーフシチューができた。
真っ黒になったので、帰宅後ボンスターですすを落としたらいい色になっていた。
底面はオリーブの塗装が剥げてアルミがほぼむき出しに。
理想のメスキット
これはこれで気に入ったのだが、大事なことを忘れていた。
水筒がないのである。
Pathfinder っぽいものを探してみるが、どれも品質的に頼りなさそうなものが多い。
水漏れ、プラスチックの蓋が壊れる、中がゴミだらけ、などなど。
そんな中で評判がよさげだったのがこれ。ただしお値段が桁違いだが。
欧米のブッシュクラフターがよくインスタに上げている Heavy Cover 社のものによく似ているが、OEMかなんかだろうか。
米が炊きにくいからチタンは敬遠していたのだが、これを持っていくときは米を炊かないようにすればいいだけだし、いいか。
しかし、値段が値段なだけに購入はまだ検討中です。